インプラントは一度埋入したらずっと使えるというわけではありません。
他の補綴物と同じように寿命があります。
しかし、きちんと手入れをして使えば他の多くの補綴物より長く使えるというメリットがあります。
インプラントの寿命について解説します。
目次
インプラントの寿命は?
インプラントの寿命はインプラント体の寿命
インプラントの寿命は、インプラント体(歯根に当たる部分)が脱落をした時です。
アバットメントや上部構造である人工歯は交換や修理が可能なケースがほとんどですが、インプラント体が脱落してしまうと再度埋入手術を行わなくてはなりません。
そのため、この部分の脱落が起こらないように注意することがインプラントの寿命を伸ばすことになります。
インプラント寿命は10年
インプラントの寿命は一般的に10年といわれています(10年後に90%のインプラントが機能しているということで、このラインが寿命と考えられています)。
そのため、多くの歯科医院で10年までに何らかの保証をつけているところがほとんどです。
中には40年持ったインプラントもありますので、ケア次第で「一生もの」にできる可能性も十分あります。
他の補綴物より寿命は長い
入れ歯やブリッジの寿命は3〜5年といわれていますので、インプラントの寿命は平均してそれらよりも長いということになります。
インプラントの埋入手術は大変な手術ですが、それだけの価値はあるといえるのではないでしょうか。
インプラントの寿命を伸ばすには?
信頼できる歯科医院で埋入処置を行う
インプラントは骨密度がなかったり、細菌感染を起こしてしまったりすると早期に脱落してしまう可能性があります。
そのため信頼できる歯科医院で埋入手術を受ける必要があります。
インプラント周囲炎を防ぐ
天然歯には歯根と歯槽骨をつなぐ歯根膜という組織があります。
しかしインプラントはインプラント体と歯槽骨が直接結合しています。
そのため炎症が一気に広がってしまうという特徴があるため注意が必要です。
ブラッシングできちんとプラークを除去することがインプラントの寿命を伸ばすことにつながります。
そのため、清掃や自己管理が難しい方の埋入手術はお断りするケースもあります。
かみ合わせのチェックなどの定期検診
歯の位置は日々変化しています。
そのため、インプラントのかみ合わせに当たる歯も、埋入した時と全く同じではありません。
歯科医院で定期的にかみ合わせをチェックし、インプラントに過度の負担がかかるのを防ぎましょう。
歯ぎしりや食いしばりがある方は特に注意です。
また、定期的に通っているとその他の異常も早期に発見できます。
3ヶ月に一度の定期検診をきちんと受けましょう。
規則正しい生活習慣を
喫煙などの生活習慣はインプラントの脱落を早めてしまう可能性があります。
インプラントを入れて長持ちさせたいのなら、禁煙するのがベストといえるでしょう。
また喫煙者は歯周病にかかっても自覚症状が出にくく、症状が悪化してから気づくという傾向があります。
その他歯周病が悪化するような、ストレスのある生活や睡眠不足、偏った食事などもインプラント寿命を縮めてしまう可能性があります。
なるべく長く快適にインプラントを使うために
インプラントの手術は金銭的な負担も大きく、体にも負担のかかる処置です。
一度埋入を行ったらなるべく長く、快適に使い続けたいものです。
基本的に、歯周病の予防と同じような予防処置、定期検診へのご来院など、普段口腔内にきちんと手をかけている方であればそれほどの負担はなく行えるでしょう。
当院では、なるべく長く快適に、10年という寿命を超えてぜひインプラントを使い続けていただきたいと考えています。