インビザラインなどのマウスピースタイプの矯正装置は、透明で目立ちにくいのが特徴です。
しかし、場合によっては着色が起こり、透明感が失われてしまうことがあります。
なぜマウスピースは着色することがあるのでしょうか。
また、着色が起こったらどうすればいいのでしょうか。
目次
■マウスピースは何でできている?
◎レジンというプラスチック
矯正用のマウスピースはレジンというプラスチックでできています。
レジンは表面に汚れを吸着しやすい素材です。
その上、とても柔らかい素材であるため、表面に小さな傷がつきやすく、ついた小さな傷を足掛かりに細菌が繁殖したり、色素が沈着しやすいという特徴もあります。
しかし、成形などの扱いやすさから、歯科医療の分野では多く使われている素材です。
■着色しやすいもの
◎お茶、コーヒーなど
着色しやすいものは、マウスピースに着色しやすいだけでなく天然歯にも着色しやすいという特徴があります。
着色しやすいものとして、ポリフェノールを多く含む飲み物があります。
マウスピースをつけたまま飲んでもいいのは水、炭酸水になりますが、なるべくマウスピースに触れないように、ストローを使ってお茶やコーヒーなどを飲もうと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、気をつけて飲んでもどうしても口腔内に広がってしまうため、お茶、コーヒーなどはマウスピースを外して飲むようにしましょう。
◎たばこなど
マウスピースに着色しやすいものとして、特に注意が必要なのがたばこです。
たばこの中に含まれるタール(ヤニ)は、家の壁紙などを黄色っぽく着色するのと同じように、口の中も着色します。
ヤニは着色の原因になるだけでなく、べたっとした性質で、更なる着色や汚れを引き寄せるという特徴もあります。
マウスピース矯正中は禁煙がベストといえるでしょう。
■着色してしまった時は
◎食器用洗剤で洗う
マウスピースに色がついてしまった時は、まず食器用洗剤で洗い流してみましょう。
普段のお手入れで気になる汚れは、食器用洗剤で充分な場合もあります。
油分による汚れも取れるため、まずは食器用洗剤で洗ってみることをおすすめします。
◎洗浄剤を使う
深く入り込んでしまった汚れは、食器用洗剤を使っても落ちません。
カップについた茶渋が食器用洗剤で落ちないのと同じ原理です。
この場合は、専用の洗浄剤を使ってみてください。
酸素系の漂白剤が、色素を除去する役目をします。
また、入れ歯用の洗浄剤を使用する、超音波洗浄機を使用するなどの方法もありますので、着色汚れが気になる時は歯科医院に相談しましょう。
◎歯みがき粉や熱湯を使わない
レジンという素材は柔らかく、歯みがき粉でこすると、歯みがき粉の中に入っている研磨剤により、表面に傷がつきます。
またレジンは熱に弱いため、熱湯で洗浄、消毒するのも変形の原因になるためNGです。
◎基本的には完全に元に戻ることはないので注意を
しかし、一度入り込んだ汚れは、基本的には完全に落ちるということはありません。
そのため、普段から着色要素があるものを避けて矯正治療を受けることをおすすめします。
着色要素があるものを摂取する時はマウスピースを外し、摂取するようにしてください。
【着色には洗浄剤を、しかし完全には落ちないことに留意を】
マウスピースに着色しやすいものとして、お茶やコーヒー、たばこなどがあげられます。
これらのものを摂取する時はなるべくマウスピースを外しましょう。
マウスピースが着色したら、洗浄剤を使用することをおすすめします。
しかし、一度着色すると完全に元に戻すのは難しいことにも注意が必要です。