インプラントを埋入した後にインプラントが取れてしまうこと脱落といいます。
脱落はどのような時に起こってしまうのでしょうか。
また脱落してしまわないためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか
目次
インプラントの脱落とは?
インプラント体、アバットメント、上部構造について
インプラントは人工歯根であるインプラント体、連結部であるアバットメント、外から見えている歯の部分である人工歯部分に分かれています。
上部構造とアバットメントはもしインプラント体から外れてしまっても再装着や再作製できる可能性があります。
インプラント体が脱落すると再手術
しかし歯根部分であるインプラント体が脱落してしまうと、これは再度戻すということができません。
新しいインプラント体を埋入する必要があります。
そのためインプラントの寿命は、人工歯が外れた時でもアバットメントが外れた時でもなくインプラント体が脱落した時と定められています。
インプラントを脱落させないために
事前の診断が大切
事前に歯科用CTなどを使い、きちんとインプラントの埋入を立体的にシミュレーションできている歯科医院を選ぶと良いでしょう。
インプラントの埋入、安定には、そこにある骨の厚みや密度などと大きな関係があります。
事前の情報から正しい診断を下して、より安定する位置にインプラント埋入できることが大切です。
そのため経験豊富できちんと設備の揃った歯科医院を選ぶようにしましょう。
埋入直後の感染に注意
インプラントの手術中や手術後の衛生管理がきちんと行われてないと、感染が起き脱落の危険性があります
お口の中の衛生状態もとても大きく影響していますが、歯科医院での器具の管理、滅菌消毒がきちんと行われているかどうかもとても重要なポイントになります。
衛生管理がきちんと行き届いた歯科医院を選ぶようにしましょう。
外傷(歯ぎしりなども含む)に注意
インプラントがそこに定着するまでに、何らかの負荷がかかってしまうと脱落の危険があります。
また歯ぎしりなどで普段から強い力がかかると、インプラント体の脱落を早めてしまう可能性があります。
そのような心配があると考えられる方は、事前に歯科医院に相談しその旨を伝えてしっかりと対策をとるようにしましょう。
インプラント周囲炎に注意
インプラントが早く脱落してしまう原因の一つとされているのが、インプラント周囲炎です。
これは歯周病に似た状態です。
しかし天然歯が歯周病になる時は、歯と歯槽骨の間に歯根膜という膜があります。
インプラントは直接歯槽骨と結合しているため、この歯根膜が存在しません。
そのため炎症が起こると、天然歯の時よりも早く波及してしまいます。
歯槽骨が急激に吸収し、気付いた時には重症化しているというケースも少なくありません。
そのためインプラント周囲炎にならないためには、普段から丁寧に歯磨きをして炎症を起こさないようにすることが重要です。
インプラントはこのようにデリケートなため、口腔清掃ができない方はお断りする歯科医院も少なくありません
骨粗鬆症などの病気について伝えておく
骨粗鬆症などの骨密度が低下する病気は、インプラントの安定にとって良くないこともあります。
事前にきちんと伝えて、インプラント埋入を行えるかどうか歯科医師とともに判断しましょう。
長く口腔内で使うために
インプラントは一度埋入すると平均10年以上持つといわれています。
中には40年以上も持ったインプラントもあるといわれています。
そのため事前の準備をきちんと行なって、埋入した後も丁寧に使えば長くお口の中で活躍してくれるでしょう。