インプラント手術においては、衛生管理が特に重要です。
衛生管理がきちんと行われていると、インプラントの安定がはかれたり、寿命を伸ばしたりすることができます。
ではインプラント手術時に衛生管理ができておらず細菌感染を起こすと、どのようなリスクがあるのでしょうか。
当院で行っている衛生管理についてもご紹介するので参考にしてください。
目次
■感染を起こすと起こること
◎定着しない
インプラントが細菌感染を起こすと、手術後も安定せず定着しない可能性があります。
これは細菌によって炎症などが起こり歯槽骨の増生がうまく行われない時などに起こります。
◎脱落する
細菌感染を起こすと、1度はインプラントが定着してもしばらくしてから脱落してしまうことがあります。
インプラントの寿命は90%以上の方が10年以上使えるといわれていますが、細菌感染を起こすとこれより早く脱落してしまうリスクがあります。
◎痛みや違和感が消えない
インプラント手術後、しばらくすると痛みや違和感が消え自然に使えるようになっていきます。
しかし手術中に細菌感染を起こすと、いつまでも痛みや違和感が消えないというケースもあります。
■インプラントが感染に弱い理由
◎インプラントは歯槽骨と直接結合している
インプラントは天然の歯より細菌感染に弱いとされています。
それはなぜでしょうか。
天然の歯槽骨と歯根の間には、歯根膜という膜があります。
この歯根膜は弾性の繊維でできていて、クッションのような役割をするだけでなく細菌感染が早急に骨に広がるのも防いでくれます。
インプラントはこの歯根膜がない状態のため、感染が起こるとすぐに歯槽骨に波及し、インプラントの動揺や脱落を引き起こしてしまいます。
これは手術中の細菌感染によっても起こりますが、インプラントが定着した後もきちんとお掃除をしないとこのような状態になることがあります。
■当院の衛生管理
◎オートクレーブの使用
当院ではオートクレープを使用し、高い熱と圧力によって器具の滅菌を行っています。
また熱を加えられないものに関しては次亜塩素酸など高いレベルでの滅菌が可能な薬剤を使用し、清潔を保っています。
◎口腔外バキュームの使用
歯科では勢いよく水を噴射するなどの操作があるため、空気中に細かい菌を含んだエアロゾルが飛散しがちです。
お口の外に空気を吸い込む機械を置くことによって、これらの飛散を防ぎます。
◎オペ室を完備
インプラント用のオペ室を使い、手術前に部屋全体の消毒を行います。
手術野(※)を無菌状態にするだけでなく、オペを行う環境からきれいにすることでインプラントの細菌感染を防ぎます。
また患者様ご自身にも、リラックスして治療を受けていただけるというメリットもあります。
(※)手術を行っている、目で見える部位のこと
◎できる限りディスポーザブルのものを使用
ディスポーザブルに切り替えられるものはできるだけディスポーザブルのものを使用しています。
◎定期的な換気など医院全体の衛生管理も
定期的な換気などを行い、医院全体の衛生管理もしっかりと行っています。
オペ室以外の診療室、待合室なども必要な箇所はしっかり消毒することでインプラント手術中の細菌感染を減らします。
【手術中の衛生管理がインプラントの寿命に良い影響を】
インプラントは感染に弱く、感染を起こしてしまうとインプラントが定着しない、脱落につながる、痛みや違和感が消えないなどのリスクがあります。
しかしインプラント手術中に衛生管理を徹底して行うことで、これらのリスクを大幅に下げることができます。
当院では適切に滅菌した器具の使用、オペ室の完備などによってできる限りインプラント手術中の細菌感染をなくすように力を尽くしています。
インプラント手術をご検討中の方はぜひ1度ご相談ください。