インビザラインを含むマウスピース矯正は、目立ちにくく快適に歯並びを整えられる矯正方法として注目されています。
しかし、矯正治療である以上、痛みや不快感が起こる場合があります。
ここでは、矯正中に痛みが起きる理由やその時期、ワイヤー矯正との比較、痛みが出た際の対処法や注意点について解説します。
目次
■矯正中に痛みや不快感が起こる理由と時期
◎痛みや不快感が起こる理由
インビザラインでは、歯を少しずつ正しい位置に移動させるために力を加えます。
この力が、歯と顎の骨の間にある歯根や、歯周組織に影響を与え、痛みや違和感が起こる原因になります。
また、マウスピースの縁が歯肉や口内の粘膜に当たることで、違和感や痛みが発生する場合もあります。
これらのものは一時的なものであることが多く、歯や組織が力に慣れるにつれて良くなっていきます。
◎痛みや不快感が起こりやすい時期
痛みが特に強く感じられるのは、新しいマウスピースに交換した時です。
この時期は歯を動かし始めるための力が強くかかるため、圧迫感や痛みがピークになります。
一般的には交換後1日~2日間に痛みが強まり、その後は徐々に和らいでいきます。
治療の初期段階も歯や口内が矯正器具に慣れていないため、痛みを感じやすい時期です。
ただし、治療が進むにつれて痛みは少なくなる傾向があります。
■ワイヤー矯正との痛みの比較
◎インビザラインの痛み
インビザラインによる痛みは、軽度から中程度とされています。
ワイヤー矯正に比べ、歯に力を加える力がマイルドなためとされています。
また、マウスピースは角などがない素材で作られているため、口内の粘膜や歯肉に対する刺激が少なく、比較的痛みや違和感なく使用できます。
◎ワイヤー矯正の痛み
ワイヤー矯正は、特にワイヤーの調整後や歯が大きく動く段階で強く痛みが起こりやすいです。
また、ワイヤーや歯の表面に装着するブラケットが口内の粘膜に当たることで、口内炎や傷ができることも多いです。
■痛みが出たときの対処法と注意点
◎痛みが出たときの食事
矯正中に痛みを感じる場合、食事を工夫することで痛みが強くなるのを防ぐことができます。
スープ、豆腐、ヨーグルト、オートミールなどの柔らかい食物を摂ると、痛みの負担を減らすことができます。
また粘り気のある食品も避け、噛む力を最小限に抑える工夫をしましょう。
熱すぎる食べ物や飲み物も刺激になる可能性があるため、適温のものを摂ることをおすすめします。
◎痛みへの対処法
鎮痛剤を使用することで痛みを和らげることができますが、使用前に歯科医師に相談することが大切です。
また、痛みが強い場合でもマウスピースを外し続けるのは控えた方がが良いでしょう。
装着時間が短くなると歯の動きが不十分になり、治療期間が延びる可能性があります。
痛みが長期間続く場合やマウスピースが歯肉に合わない場合は、歯科医師に相談して調整してもらいましょう。
もし、歯が動く痛みでなくマウスピースの縁が口内を傷つけている場合、歯科医院で調整を依頼することが必要です。
■痛みを予防するための工夫
◎新しいマウスピースにしっかり慣れる
新しいマウスピースを装着した最初の数時間は、締め付け感が強く感じられる場合がありますが、慣れるまでしっかり装着し続けることが大切です。
慣れるまでの間、必要に応じて鎮痛剤を利用するのも良いでしょう。
◎装着時間を守る
インビザラインは1日20時間以上の装着が必要とされています。
装着時間を守ることで、歯の移動がスムーズになり、痛みを感じる期間を短くすることできるかもしれません。
※痛みの感じ方には個人差があります。
【多くの場合痛みが出るが、対処法を上手く使って】
インビザラインによる痛みは、矯正治療の一環として避けられない部分がありますが、比較的軽度であり一時的なものです。
特に新しいマウスピースに交換した直後や、治療初期に痛みを感じやすくなりますが、適切な対処法で治療を進めていきましょう。もし日常生活に支障が出るような痛みがあれば、歯科医院にご相談ください。