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「あと何回で終わりますか」という質問から、通院の全体像を整理します
根の治療中、最も多く伺うのがこの一言です。回数は歯の位置や炎症の程度で変わりますが、工程そのものにはある程度の型があります。この記事では初診から被せ物の装着までの流れ、回数が増える背景、仕事と両立しながら通い終えるための考え方を順に整理します。
この記事の要点まとめ
- 根管治療の通院回数は3〜6回程度が目安で、週1回前後の通院ペースが一般的です。
- 歯の根の形状の複雑さや再治療の有無、炎症の程度により必要な工程が増減します。
- 仮蓋の劣化による再感染を防ぐためにも、被せ物の装着まで計画的な通院が大切です。
根管治療の完了までに必要な通院回数と通院ペースの目安

歯の根の治療(根管治療)は、歯の内部で細菌に汚染された神経や組織を取り除き、再び感染が起こりにくい状態へ整えていく処置です。通院回数の目安はおおむね3〜6回。歯の位置や炎症の広がりによって前後し、被せ物まで含めると1〜2か月ほどかかる場合もあります。1
初めての治療と再治療(やり直し)による回数の違い
初めて神経を取る抜髄は工程が見通しやすく、根が1本の前歯なら3回前後で根管充填まで進むこともあります。一方、以前治療した歯をやり直す感染根管治療(リトリートメント)では、被せ物や土台(コア)の撤去、古い充填材の除去といった工程が先に加わります。根の中の細菌の状態によっては洗浄と消毒を重ねることになり、5回以上を要するケースも見られます。
通院ペースは週1回が標準的?治療間隔を空ける理由
次の予約までは1週間前後空けるのが一般的とされています。これは予約の都合ではなく、根管内に入れた薬剤が作用する時間を確保し、症状の落ち着き方を確かめるためです。1回あたりの診療時間は保険診療でおよそ15〜30分、時間を確保して行う自由診療では60〜90分程度と幅があります。間隔が2〜3週間以上空くと仮蓋が劣化しやすく、工程が前に戻ることもあるため、予定が立てにくい時期こそ先に予約枠を押さえておくと進めやすくなります。
初診から被せ物装着までの具体的な治療ステップ
回数だけを聞くと長く感じますが、各回で何をしているかが分かると見通しは立てやすくなります。診断から最終的な被せ物までは、次のような順序で進むのが一般的です。12
【1回目〜2回目】感染源の除去・洗浄と仮蓋による密封
初回はレントゲンや歯科用CTでの検査と診断が中心になります。処置に入る際は麻酔を用いて、むし歯に侵された部分と神経を取り除き、細いファイルで根管内を清掃します。その後は薬液で洗浄・消毒し、仮蓋(仮封)で密封して終了です。この時期は仮蓋が外れたまま放置しないことが大切ですので、取れた場合や違和感があるときは、次の予約を待たずにご連絡ください。
【3回目〜4回目】根管充填と土台(コア)の築造
症状が落ち着き、根管内を清潔に保てていると判断できた段階で、薬剤を隙間なく詰める根管充填を行います。ここが根の治療の一つの区切りです。神経を失った歯は水分が減ってもろくなりやすいため、続いて被せ物を支える土台(コア)を築造し、歯の形を整えていきます。「4回目は何をするのか」という質問への答えは、多くの場合この根管充填か土台作りの工程にあたります。
【最終ステップ】型取りと被せ物(クラウン)の装着
土台が整ったら型取り、あるいは光学スキャナーで歯の形を記録し、被せ物(クラウン)を製作します。装着時は噛み合わせを細かく調整し、必要に応じて数日後に再確認を行うこともあります。根の治療の経過は被せ物の適合にも左右されると考えられているため、素材選びも含めて事前にご相談いただくと計画が立てやすくなります。
歯の根の治療が長引きやすい理由と途中で中断した場合に生じること

「前の歯科医院では何か月も通った」というお話は、当院でもよく伺います。長引く背景にあるのは、歯の構造上の理由と、通院が途切れることによる工程の巻き戻しです。2
奥歯の根の複雑な分岐やしつこい炎症による回数増加
前歯の根は1本ですが、小臼歯は2本、大臼歯では3〜4本に分かれ、さらに枝分かれや湾曲を伴うことがあります。肉眼では確認しづらい細部に感染源が残れば、洗浄と消毒を重ねる必要が出てきます。根の先の病変が大きい場合や、以前の治療で器具が破折して残っている場合も工程が増える要因です。つまり、回数が多いこと自体が課題なのではなく、歯の構造に応じた必要な工程という側面があります。
痛みが引いた段階で中断すると起こりやすいこと
神経を取った後は痛みが治まるため、忙しさから足が遠のいてしまうことがあります。ただ、仮蓋はあくまで一時的な材料で、数週間で摩耗したり欠けたりします。そこから唾液と細菌が入り込むと、根の中が再び汚染された状態に戻ることがあります。さらに、土台や被せ物がないまま噛み続けると歯質に力が集中し、歯が割れて(歯根破折)歯を残す選択が難しくなる場合も考えられます。中断が長引くほど選べる治療の幅は狭まりやすいため、都合がつかない期間があるときは、その時点で歯科医院に相談し、仮蓋の補強や予約の組み直しを依頼するのが現実的な進め方です。
東金市で仕事や家事と両立しながら計画的に通院を終える工夫
平日の日中に現場を離れにくい方ほど、「通い切れるか」が治療選択の判断材料になります。東金市で車通勤をされている方からも、予約の取り方や工程数についてのご相談をよく伺います。2
マイクロスコープ等を活用した精密治療と通院効率の検討
根管内は細く暗いため、見える環境を整えることが処置の精度に関わってきます。当院では肉眼の約25倍まで拡大できるマイクロスコープ、唾液の侵入を抑えるラバーダム、根の湾曲に追従しやすいニッケルチタンファイル、生体親和性が高いとされるMTAセメントなどを用いた精密根管治療に対応しています。さらに1回の診療に90分を確保し、再治療の必要が生じにくいよう丁寧に進める方針です。自由診療は費用のご負担が生じる一方、1回あたりの処置を深く進めやすい点が特徴で、保険診療との違いを事前にご説明したうえでお選びいただいています。
治療計画の事前共有で通院スケジュールを立てやすくする
初診の段階で「想定される回数」「1回の所要時間」「費用の目安」を確認しておくと、業務調整がしやすくなります。当院はバリアフリー設計で車いすでの来院にも対応しており、他院で抜歯や神経を取る必要があると言われた方のセカンドオピニオンもお受けしています。治療が終わった後も、被せ物の状態や噛み合わせを定期的に確認するメンテナンスが、歯を長く使っていくうえでの土台になります。まずは現在の歯の状態と通院可能な曜日をお伝えいただくところから始めてみましょう。
よくある質問
Q. 歯科医院で根っこの治療は何回くらい通うのでしょうか。
A. 目安は3〜6回程度です。根が1本の前歯は少なめ、根が複数に分かれる奥歯や再治療の場合は回数が増える傾向があります。被せ物の製作・装着まで含めると、さらに2回ほど加わると考えておくとスケジュールを組みやすくなります。
Q. 根管治療の1回目はどのような流れですか。
A. 問診とレントゲン等の検査、診断のご説明が中心です。状態によっては同日に麻酔を行い、むし歯や神経の除去、根管内の洗浄まで進めることもあります。初診で処置まで行うかどうかは、予約時に確認しておくと予定が立てやすくなります。
Q. 根管治療の4回目では何をするのですか。
A. 多くの場合、根管内の洗浄が済んだ段階で薬剤を詰める根管充填、あるいは被せ物を支える土台(コア)の築造にあたります。ただし症状の落ち着き方によって前後するため、その回ごとに担当医へご確認ください。
Q. 同じ歯の根の治療を2回行うと、歯はどうなりますか。
A. 再治療では被せ物や以前の充填材を取り除く工程が入るため、歯質が少しずつ減り、もろくなりやすい傾向があります。だからこそ、できるだけ少ない回数で区切りをつけられるよう、初回の処置を丁寧に行うことが重視されています。
Q. 治療中に歯が少し揺れる感じがするのですが。
A. 根の先に炎症がある時期は、歯を支える組織が反応して一時的に動揺を感じることがあります。多くは経過とともに落ち着いていきますが、揺れが強くなる、噛むと響くといった変化がある場合は、次回を待たずにご相談ください。
参考文献
1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/
2. 公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドラインライブラリ」 https://minds.jcqhc.or.jp/
日本大学松戸歯学部 卒業
2014年
医療法人 尚歯会 いさはい歯科医院 勤務
2015年
ぐみょう今井歯科医院 勤務
2019年
ぐみょう今井歯科医院 院長就任
日本臨床歯科学会
日本口腔インプラント学会
インビザライン 認定医
日本歯周病学会
厚生労働省認可歯科医師卒後臨床研修指導医
日本顎咬合学会 認定医
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