「何度も同じ歯を治療している気がする」
このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。
実は、むし歯は一度治せば終わりというものではなく、治療後の状態や処置の精度、そしてその後のケアによって再発する可能性が高い病気なのです。
この記事では、むし歯が繰り返される原因や、特に根管治療の精度が再発に大きく関係する理由、そして再発を防ぐために知っておきたいポイントについて詳しく解説します。
目次
■なぜむし歯は治療しても再発するのか
◎むし歯の原因菌は完全には除去できない
むし歯の原因となるミュータンス菌などの細菌は、口腔内のあちこちに存在します。
治療によって感染部分を除去しても、唾液や歯垢などから再び感染し、細菌が活動を始めれば、再発のリスクは常に残っています。
◎詰め物や被せ物の隙間から再感染
治療した歯に詰め物や被せ物をしても、時間とともに劣化したり隙間ができたりすることで、そこから細菌が侵入して再びむし歯が発生します。
これを二次カリエスと呼びます。
■繰り返すむし歯の中に潜む根管治療の精度
◎保険治療と自由診療の違い
根管治療は、むし歯が進行して神経にまで達した際に行う処置ですが、その成功や再発には、治療の精度が大きく影響します。
保険診療では、治療時間や使用できる器具、薬剤に制限があるため、根の中の全てを丁寧に処理することが難しくなることがあります。
一方で、自由診療で行う根管治療では、マイクロスコープを使用することで、肉眼では見えないレベルまで歯の内部を拡大視し、より正確な治療が可能となります。
また、唾液による再感染を防ぐラバーダム防湿、細菌を死滅させる高性能な薬剤やレーザー機器、そして最終的な封鎖処置まで、すべてが精度重視で行われます。
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■再発のきっかけになるリスクとは
◎根の中が完全にきれいになっていない
根管の中は非常に複雑な形をしており、細い分岐や湾曲した部分に細菌が残ってしまうことがあります。
特に見える範囲だけで処置を終えてしまうと、目に見えない感染源が残り、数年後に膿の袋ができたり、噛むと痛むような症状を引き起こしたりします。
再発の多くは、こうした見えない感染源の取り残しが原因となっており、再治療ではより深い部分の感染除去が求められます。
◎むし歯になりやすい生活習慣
治療の成功だけでなく、その後の生活習慣も歯の寿命を左右します。
甘い飲み物や間食の頻度が多い方、歯磨きを怠る方、デンタルフロスなどを使わない方などは、むし歯の再発リスクが高まります。
特に治療済みの歯は、見た目では問題ないように見えても、内部は再発しやすい状態にあるため、表面的なケアだけでは不十分です。そのため、生活の中での意識と予防の継続が不可欠なのです。
■再発させないためにできること
◎定期的なメンテナンスとセルフケア
根管治療をした歯は、一見するときれいに治っているように見えますが、再発のリスクを完全にゼロにすることはできません。
そのため、治療後も継続的なメンテナンスが重要です。
毎日の歯磨きはもちろん、歯と歯の間の汚れを取り除くフロスや歯間ブラシの使用、歯科医院での定期的なクリーニングやレントゲンチェックなどを組み合わせることで、再発の兆候を早期に発見し、対応することができます。
◎精密な治療を選ぶことの重要性
根管治療の再発を防ぐためには、最初の治療の精度が重要です。
自由診療で行う精密根管治療は、時間とコストをかける分だけ、長期的に見たときの再治療リスクを大きく下げる可能性があります。
保険診療で行う根管治療は費用を抑えられるというメリットはありますが、大切な歯をできるだけ長く残すという視点からは、精度の高い根管治療(自由診療)を検討することもひとつの選択肢です。
【むし歯を繰り返さないために】
むし歯がなかなか治らないと感じている方は、治療の精度と生活習慣の両方に見直しの余地があるかもしれません。
見えない部分まで丁寧に治す精密根管治療や、治療後の継続的な予防処置によって、もうむし歯の再発に悩まされない未来を目指しましょう。